項目
・ 脊椎とは?
・ 腰部脊柱管狭窄症
・ 特発性側弯症
脊椎とは?
頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨、尾骨より構成され、中心に脊柱管といわれる神経を保護する管が存在します。
脊椎は起立、歩行、運動時に頭部(脳)に加わる衝撃を緩和するためのクッションとしての役割を担っています。主に椎体、椎間板、椎間関節、靭帯および周囲の脊柱起立筋より構成され、そのいずれかに障害が起きると腰痛や脊椎変形が生じます。
腰部脊柱管狭窄症
脊椎の老化は二十歳頃から始まります。脊柱管の構成体が加齢現象に伴い脊柱管に突出するため神経を圧迫し障害を引き起こすのが脊柱管狭窄症といわれ、日本も高齢化に伴い患者の数も増加の一途をたどっています(図1)。
症状としては10分も歩くと両足がしびれて重くなり歩けなくなりますが、休むと痛みが軽くなりまた歩ける様になるのが一般的で間歇性跛行と呼ばれています(図2)。
治療法は鎮痛薬や血流改善薬が有効な人も多いですが歩行障害で手術を受けられる人も増えています。当科では顕微鏡を用いているため切開も小さく、筋肉にかける損傷も最小であるため術後の痛みも少なく1-2日で歩行しその成績も安定しています。
椎体圧迫骨折偽関節
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は骨がもろくなり骨折しやすくなった状態を言います(図7)。骨粗鬆症になっても最初は何の症状もありませんが、そのうち腰や背中が痛くなったり曲がったりしてきます。特に高齢の方は転倒で骨折を起こすため転倒予防が重要となってきます。
圧迫骨折後に骨が固まらず強い腰痛で寝たきりになる人がいますが、椎体圧迫骨折偽関節と呼ばれてその治療は困難となります。当科では癒合不全に陥った椎体に人工骨を入れさらに上下の脊椎にスクリューをいれ固定を追加することで対処しています(図8) 。
特発性側弯症
本来真っ直ぐな脊椎が左右に弯曲してきた状態を脊椎側弯症と呼びます。その多くは思春期の女子に発生し特発性側弯症と呼ばれています。特発性側弯症と診断されれば成長期が終わるまで定期的なレントゲン検査が必要となります。当科では成長期の初期の側弯症には装具療法による矯正を行います(図9)。
側弯が高度になり、肺機能や心機能にも影響を及ぼすような場合は矯正固定術を行います(図10) 。