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骨・軟部腫瘍

骨・軟部腫瘍

項目

・ 骨・軟部腫瘍とは?

・ 悪性骨腫瘍

・ 悪性軟部腫瘍

骨・軟部腫瘍とは?

骨・軟部腫瘍とは,骨組織(骨と軟骨)と軟部組織(筋肉や脂肪,血管など)にできる腫瘍の総称で,組織発生学的に細かく分類されています。さらに良性と悪性に分けられ,悪性の骨・軟部腫瘍は一般に 肉腫 と呼ばれ,胃癌や肺癌といった上皮性悪性腫瘍(=癌腫)とは区別されます。 悪性骨腫瘍では骨肉腫や軟骨肉腫,ユーイング肉腫など,悪性軟部腫瘍では悪性線維性組織球腫や脂肪肉腫,平滑筋肉腫などの発生頻度が高いとされています。 

悪性骨腫瘍

骨肉腫とは?

骨肉腫は骨を作り出す性格をもった肉腫のことで,悪性骨腫瘍の中では最も発生頻度が高く,悪性骨腫瘍の代表的な病気です。10歳代の子供に多く,またその好発部位は膝関節周囲です。症状としては腫れと痛みです。肺転移を起こしやすく生命を脅かす病気です。

診断と治療

    画像検査で悪性が疑われた場合(図1),一部組織を採取し(=生検),顕微鏡による検査(=病理組織検査)で,病理診断を確定します。治療は,抗癌剤(=化学療法)と手術によって行います。順番としては術前化学療法→手術→術後化学療法の順に行います。  

術前化学療法でできるだけ病巣を縮小させた上で手術を行うため,現在では切断術が行われることはほとんどありません。できるだけ機能的に有用な患肢を残す”患肢温存手術”が現在の手術の主流となっています。腫瘍部を切除すると骨欠損が生じますが,様々な方法で再建されます。

現在最も広く用いられる再建法は腫瘍用人工関節です(図2) 。小児では成長に伴う脚長差が問題となるため、成長に合わせて長さが延長可能な人工関節を用いることもあります。また最近では長期生存が可能となり、耐用性に問題のある人工関節に代わり,なるべく自分の骨(=自家骨)で再建する方法が用いられるようになってきています。当科でも創外固定による骨延長術を行っています(図3) 。  図1:大腿骨に発生した骨肉腫のレントゲン写真とMRI画像 図2:腫瘍用人工関節 図3:創外固定による骨延長術

悪性軟部腫瘍

 悪性軟部腫瘍は,筋肉や脂肪などの軟らかい組織にできる悪性腫瘍の総称で,組織発生学的に細かく分類されています。その治療は,手術療法,放射線治療,化学療法の組み合わせで行われますが,その主体は手術療法です。悪性軟部腫瘍の場合,良性と違い腫瘍周囲の正常組織も含めて切除する”広範切除術”が行われます(良性の場合は腫瘍のみを摘出します)。腫瘍の良・悪性の判断は生検による病理組織検査で行いますが,造影剤を用いたMRI検査も診断の一助になる重要な検査です(図4) 。

手術は,周囲の筋肉や血管,神経も一緒に切除することもあり,術後は様々な程度の機能障害が出ます。機能障害を最小限にするため,術前化学療法や放射線療法を行うこともあります。術前化学療法が奏効すれば,縮小手術を行うことも可能です(図5) 。

また,重要な血管や神経を切除する場合は人工血管での再建や神経移植を行います。したがって,現在では切断することはほとんどありません。 図4:左大腿部に発生した血管平滑筋肉腫 図5:術前化学療法が奏効した骨外ユーイング肉腫

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